人気のシンボルツリー オリーブ Olea europaea
科名:属名:モクセイ科・オレア属
英名:Olive
タイプ:常緑樹
自生地:中近東〜地中海沿岸
日照条件:日なた
耐寒性:強(短い期間なら−10℃)
耐暑性:強
コンテナ栽培(鉢植え):容易
オリーブはその年に伸びた新梢(しんしょう)に翌年実をつけるので、
実を楽しみたい場所は新梢を切らないでください。
オリーブは自家受粉しにくい植物なので、花つきの良い品種を2本以上植えるといいです。
育てる・食べる・楽しむ オリーブの木
古くから栽培されてきた果樹・庭木です。南ヨーロッパの各地では樹齢1000年を超える老樹が葉を茂らせて毎年豊かに果実を実らせているそうです。
最近ではシンボルツリーとして常緑樹人気No. 1のオリーブです。
樹勢が強く、やせた土地や乾燥した土地でもよく育ち、潮風ににも強いので他の庭木・果樹がうまく育たない海岸沿いの地域でも栽培することができます。
日当たりを好み、過湿にさえしなければ、よく育ちます。萌芽力にすぐれるため剪定しやすい樹木です。
葉色も美しくシルバー色の品種から世界中に500以上の品種があります。
常緑果樹のなかでは温州みかんよりも耐寒性が強いので、関東地方北部以西であれば庭植えできます。
12月から1月の平均気温が10℃以下にならないと花芽がつきません。
管理
【置き場所(鉢植え)】
日当たりの良い場所で管理します。
【水やり】
乾かし気味に管理します。土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
【土壌】
アルカリ性の土壌を好みます。
【病害虫】
病気では炭そ病、害虫ではコウモリガ、ハマキムシ、カイガラムシなどに注意するほか、オリーブゾウムシが出ることがあるので発生初期に捕殺します。
「鉢で育てたい」「シンボルツリーにしたい」などなど、オリーブを植えるシチュエーション目的はいろいろ。
【生垣や目隠しにしたいなら】
オススメ品種:ミッション、ネバディロブランコ
外からの視線を遮るように葉や枝が密集して茂るのは、ミッション、ネバディロブランコです。
生長が早く、萌芽力も強いので刈り込んでもすぐに綺麗な樹形に茂ってくれます。
【コンテナ(鉢)で育てたいなら】
オススメ品種:マンザニロ、ミッション
マンザニロは枝がしだれるように伸びるので、鉢で育てるとカッコよく育てられます。ただし、萌芽力が弱いので生育条件が過酷な場所ではちょっと不向きです。ミッションは直立性の性質なので高さを止めて育てれば、玄関脇やベランダなどの小スペースでも楽しめるオリーブです。
【シンボルツリーにしたいなら】
オススメ品種:ミッション、ルッカ、ネバディロブランコ
素直に真直と伸びるスマートな樹形を思い描くならミッションがおすすめ!ミッションは幅を取らないので狭い場所にも合い簡単な剪定で理想の樹形を保てるのが魅力です。
こんもりと丸い形を思い描くならルッカやネバディロブランコがおすすめ!お庭のスペースや好みで選ぶといい感じのシンボルツリーになります。
葉の表面は光沢のある濃い緑色の常緑樹。
葉の裏は銀白色で風が吹くと輝きます。
オリーブの葉は傷を癒し肌を活性化する成分をもち、古代ギリシャ・ローマ時代から生命の象徴とされてきました。
オリーブの美味しさを味わえるオリーブドルチェ。とれたての青い果実で作るオリーブの新漬けです。
自分で育ててこそ味わえる贅沢品。少しの手間と時間はかかりますがそれだけの価値がある味。
オリーブの塩漬け。オリーブのピクルス。
オリーブオイルは100%の果汁。
品種や果実の熟し具合によって色合いが違います。
みずみずしい香りとコク、自分でつくれば安心安全なエキストラ・バージンオリーブオイルです。
「うちのオリーブの木。実がなったところ見たことない・・。」
オリーブはもともとどの品種もちゃんと実をつける植物です。原因は育て方や環境にあることがほとんど。
そんなオリーブの木も原因をみつけ対処すればきっと実をつけるはずです。
【新梢(しんしょう)を剪定してしまった】
オリーブは今年伸びた新しい枝に翌年花が咲き実がなる性質があります。このため、剪定などで枝先を切ってしまうと花が咲き実がなる枝が無くなってしまい。実をつけない場合が多いです。
【水を切らしてしまった】
オリーブの木は乾燥を好みますが水切れは禁物です。地植えではあまり神経質になる必要はありませんが、コンテナ・鉢栽培の場合は、花が咲いたときなどポイントとなる時期に乾燥させると実がつかない大きな原因になります。一年を通して土の表面が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。
【肥料をあげていない】
どんな植物も十分な栄養があってこそ実をつけます。葉の色が全体的に黄緑色っぽくなってきたら肥料不足の合図です。
【開花時期に雨が続いた】
オリーブの開花時期は5月中旬から6月上旬。雨が続くと花が落ちたり花粉が飛ばず受粉できません。そんなときは覆いをかけたり、鉢植えなら軒下などに移動して下さい。
【受粉樹がいない】
オリーブは1本でも実をつける品種もありますが、基本的に自家受粉しにくい植物なので、他品種を近くに植えて受粉させて下さい。ネバディロブランコという品種はとくに花つきがいいので自然と受粉する花も増え、実も付きやすくなります。
【実がつく年齢になっていない】
挿し木苗なら5年以上。実生苗なら15年以上かかります。
オリーブ生育カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
葉 | 発芽 | |||||||||||
花 | 開花 | 開花 | ||||||||||
実 | 実の充実 | 新漬け用 | 新漬け用 | オイル用 | オイル用 | |||||||
肥料 | 肥料 | 肥料 | ||||||||||
剪定 | 剪定 | 剪定 | 剪定 | 剪定 |
【スズメガの幼虫】
特徴:最大時で体長7〜9cmになる芋虫。葉を食害します。
発生時期:6月〜10月
対処法:見つけたら捕殺。
【テッポウムシ】
特徴:カミキリムシの幼虫。成虫は地際の主幹に穴を開けて産卵、ふ化した幼虫が木の内部を食べ落葉、枝枯れがおき枯れます。
発生時期:6月〜10月
対処法:幹の地際に丸い穴があり、地面にオガクズ状の粉が落ちていたら要注意。穴の中に幼虫がいる場合があるので針金などで捕殺。園芸用キンチョールを使用して下さい。
【ハマキムシ】
特徴:体長2cmほどの青虫。葉を葉巻のように丸めたり白い綿状のものでくるんで中に入り葉を食べたり実に穴をあけて食害します。
発生時期:4月〜11月だが、とくに涼しくなってから注意が必要。
対処法:丸まった葉や意綿状のものに包まれた葉の中に幼虫が潜んでいるので見つけ次第こまめに取り除きます。定期的な農薬散布。
【炭疽病(たんそびょう)】
特徴:大型の実をつける品種に発生しやすく果実に褐色の斑点ができじょじょに広がる。
発生時期:7月〜11月
対処法:病気になった実は早めに取り除き落ちた実は拾って病気が広がらないようにします。
予防法は枯れ枝や弱った枝を取り除き、適切な剪定とつねに風通しをよくすること。肥料の窒素分を控えたり水はけをよくするのも有効です。
【梢古病(しょうこびょう)】
特徴:枝の先が50cmから1mくらいにわたり茶色く変色し、葉が落ち、次第に枝全体の葉が落ちます。
発生時期:5月〜10月
対処法:症状を見つけたら、枯れた部分をすべて除去する。
予防法としては、つねに枯れ枝を見つけたら早めに除去するほか、余分な枝をはらい、風通しと日当たりをよくすると良いです。
【オリーブの株元に穴やかさぶたのようなあとがあり、オガクズ状の粉が落ちている】
オリーブの天敵、オリーブアナアキゾウムシのしわざだと考えられます。そのまま放っておくと、だんだんオリーブが弱り葉が黄色くなり落葉し、最後にはオリーブの木そのものが枯れてしまう恐れもあります。早期に発見して一刻も早く退治・捕殺してください。
【オリーブの葉が食い荒らされフンが地面に落ちている】
どこかにスズメがの幼虫(芋虫)がいると考えられます。食欲旺盛な害虫なので早めに退治・捕殺してください。オリーブの葉をどんどん食い荒らします。
【オリーブの幹に穴が開いている】
株元にオガクズ状のも木屑が落ちていたら要注意!テッポウムシ可能性もあります。オリーブアナアキゾウムシと同様に早期に発見して一刻も早く退治・捕殺してください。最悪、オリーブの木が枯れる場合があります。
【オリーブの葉がくるまり、綿状のものがからみついている】
数枚の葉が重なってべとべととした白い綿状のもので包まれていたり、葉に穴があいていたらハマキムシが考えられます。葉や実を食い荒らし見た目も悪くなります。早めの捕殺もしくは、農薬散布をおすすめします。
【オリーブの葉先の半分くらいが茶色く枯れる】
葉の先端がちょうど半分くらいが茶色く枯れてきたら、肥料の偏り微量要素の不足だと考えられます。窒素・リン酸・カリウム以外の微量要素であるマンガン・鉄・マグネシウムを与えるとよいです。
【オリーブの果実に斑点のようなシミがある】
オリーブ栽培でもっとも発生しやすい炭疽病(たんそびょう)が考えられます。
そのままにしておくと斑点が徐々に広がり実が落ちます。
【オリーブの葉が黄色に変色して落ち始める】
虫や病気の症状のほかに、水不足、肥料切れ、根づまり、水はけが悪いという生育環境の悪化も考えられます。虫や病気の気配がなければ、この4つのポイントの項目を考えてみてください。
【オリーブの枯れ枝が出て葉が落ちる】
梢古病(しょうこびょう)かもしれません。枝先から枯れ始め、放置しておくと全体に広がる恐れがあります。
【オリーブの葉が突然白っぽく、しなびたようになった】
寒さが考えられます。オリーブは−10℃までは耐えますが、それよりも極寒に当たると、新梢や若枝が枯れて死にます。
【オリーブの内側に枯れ枝が増え新しい枝がでてこない】
何年も剪定をしていないとこのような症状がでます。生長の早いオリーブは枝葉を伸び放題させると、日光や風が十分に行きわたらず、木が弱ってしまいます。
定期的に剪定をしてあげて下さい。